淑徳与野中学校の問題
2013-01-19
今年の埼玉県内の淑徳与野中学校の問題です。
問題文が手元にないので、問題文の細かい表現は忘れてしまいましたが、以下の内容です。
どうやらこの問題の答えについては争いがあるようです。
①384400km=384400000mで、これを上から2けたの概数にすると380000000m
634mを上から2けたの概数にすると630m
よって、380000000÷630=603176.6…で、およそ600000倍となる。
②384400000÷634=606309.1…で、およそ610000倍となる。
問題文に「概算(概数をとって計算したり、計算の結果を概数で表したりすること)」という言葉が出てきていれば①で決まりだというのですが、
その言葉が出てきていないため、どちらとも言いきれないということです。
私は、この仕事を始めてから、
およその数の計算は、
初めにそれぞれの数を求めようとする位までの概数にしてから計算すると習ってきましたので、
何の疑いもなく①だと思ったんですが、
どうもそうじゃない考えの方もいらっしゃるようです。
でも、私の個人的な意見としては、
もし、②であれば、この問題は単純に長さの単位換算を尋ねているだけになるのですが、
①であれば、それに加えて、概算の仕方を知っているかを尋ねる問題になることを考えると、
①と考えるのが妥当なのではないかと思います。
蛇足ですが、これがもし、上から1けたの概算をする場合ならば、
割られる数を上から2けたの概数にし、
割る数を上から1けたの概数にして計算するという考え方もあるようです。
これを本問に適用すれば、
384400000÷634≒380000000÷600=633333.3…で、およそ600000倍となります。
これについては、なぜ、割られる数だけを上から2けたの概数にするのか明らかではありませんし、
それに加えて、上から2けたの概数で求めるとき、
上から3けたの概数÷上から2けたの概数で求めても良いものかどうか明らかではありません。
もし、これが許されるのなら、
384000000÷630=609523.8…で、およそ610000倍となることになります。
もし、これが出題ミスだったなら、採点の段階で全員正解になるのだとしても、
出題ミスに気付いて悩んでしまったお子さんは、そこで無駄な時間を使ってしまいますから、
事実上不利益な扱いを受けることになってしまいます。
大学入試レベルであれば、出題ミスを発見したときは、
「この問題は、~の観点から成立しない。よって解はない。」
と書けば、満点をもらえると聞いたことがありますが、
小学生ではそんなことは要求できません(解答だけの問題なら尚更です)。
いずれにしろ学校側には、どのような採点になるかに関わらず、
今後、受験生が迷うような出題は避けるよう最大限の努力を希望いたします。
■読んでいただいて、ありがとうございます。感謝しています。
■このブログをモノローグではなく、ダイアローグに近いものにするために
皆様の意見をお待ちしております。コメント、メールフォームをご利用ください。
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問題文が手元にないので、問題文の細かい表現は忘れてしまいましたが、以下の内容です。
地球と月との距離は384400kmで東京スカイツリーの高さは634mである。地球と月との距離は、東京スカイツリーの高さの何倍か?上から2けたの概数で求めよ。
どうやらこの問題の答えについては争いがあるようです。
①384400km=384400000mで、これを上から2けたの概数にすると380000000m
634mを上から2けたの概数にすると630m
よって、380000000÷630=603176.6…で、およそ600000倍となる。
②384400000÷634=606309.1…で、およそ610000倍となる。
問題文に「概算(概数をとって計算したり、計算の結果を概数で表したりすること)」という言葉が出てきていれば①で決まりだというのですが、
その言葉が出てきていないため、どちらとも言いきれないということです。
私は、この仕事を始めてから、
およその数の計算は、
初めにそれぞれの数を求めようとする位までの概数にしてから計算すると習ってきましたので、
何の疑いもなく①だと思ったんですが、
どうもそうじゃない考えの方もいらっしゃるようです。
でも、私の個人的な意見としては、
もし、②であれば、この問題は単純に長さの単位換算を尋ねているだけになるのですが、
①であれば、それに加えて、概算の仕方を知っているかを尋ねる問題になることを考えると、
①と考えるのが妥当なのではないかと思います。
蛇足ですが、これがもし、上から1けたの概算をする場合ならば、
割られる数を上から2けたの概数にし、
割る数を上から1けたの概数にして計算するという考え方もあるようです。
これを本問に適用すれば、
384400000÷634≒380000000÷600=633333.3…で、およそ600000倍となります。
これについては、なぜ、割られる数だけを上から2けたの概数にするのか明らかではありませんし、
それに加えて、上から2けたの概数で求めるとき、
上から3けたの概数÷上から2けたの概数で求めても良いものかどうか明らかではありません。
もし、これが許されるのなら、
384000000÷630=609523.8…で、およそ610000倍となることになります。
もし、これが出題ミスだったなら、採点の段階で全員正解になるのだとしても、
出題ミスに気付いて悩んでしまったお子さんは、そこで無駄な時間を使ってしまいますから、
事実上不利益な扱いを受けることになってしまいます。
大学入試レベルであれば、出題ミスを発見したときは、
「この問題は、~の観点から成立しない。よって解はない。」
と書けば、満点をもらえると聞いたことがありますが、
小学生ではそんなことは要求できません(解答だけの問題なら尚更です)。
いずれにしろ学校側には、どのような採点になるかに関わらず、
今後、受験生が迷うような出題は避けるよう最大限の努力を希望いたします。
■読んでいただいて、ありがとうございます。感謝しています。
■このブログをモノローグではなく、ダイアローグに近いものにするために
皆様の意見をお待ちしております。コメント、メールフォームをご利用ください。
■リンク先にある私のもう一つのブログ「最高の家庭教師(幸せな合格)」でも
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今年の入試問題(3)
2012-02-03
【桜蔭】
Ⅰ計算、数の性質
平易。確実に得点したい問題。
Ⅱ立体図形(回転体)
ありきたりの平易な問題。間違えようがない問題。
Ⅲニュートン算
昨年の開成の問題が頭をよぎる。
どこかに落とし穴があるかもしれないと身構えたが、ごく普通の問題。
確実に得点したい。
Ⅳ数列
1から順にならべた自然数をバラバラにして並べるという問題の
並べる数字を偶数に変えただけ。
(3)も、どのあたりの数字を答えとして要求しているのかが見え見えの問題。
平易。
Ⅴ立体図形上の点の移動
かつてどこかで出たのと同じような問題。
桜蔭受験者なら塾の授業で確実に練習している問題。
(3)も本来なら使えないはずの断頭四角柱が使える問題。
平易。
桜蔭がこんなに簡単な出題で良いのでしょうか?
また、何年か前のように、新中一生に
1年間、毎朝、計算テストをやらせることにならなければよいのですが…。
Ⅰ計算、数の性質
平易。確実に得点したい問題。
Ⅱ立体図形(回転体)
ありきたりの平易な問題。間違えようがない問題。
Ⅲニュートン算
昨年の開成の問題が頭をよぎる。
どこかに落とし穴があるかもしれないと身構えたが、ごく普通の問題。
確実に得点したい。
Ⅳ数列
1から順にならべた自然数をバラバラにして並べるという問題の
並べる数字を偶数に変えただけ。
(3)も、どのあたりの数字を答えとして要求しているのかが見え見えの問題。
平易。
Ⅴ立体図形上の点の移動
かつてどこかで出たのと同じような問題。
桜蔭受験者なら塾の授業で確実に練習している問題。
(3)も本来なら使えないはずの断頭四角柱が使える問題。
平易。
桜蔭がこんなに簡単な出題で良いのでしょうか?
また、何年か前のように、新中一生に
1年間、毎朝、計算テストをやらせることにならなければよいのですが…。
今年の入試問題(2)
2012-02-03
【開成】
大問1は面倒だけれども難度は高くありません。
「割引運賃」という言葉が、
その金額を割り引くのか、それともその金額で乗れるのかを、
一瞬迷わせる問題です。
大問2はBDの長さは(2)につながりますが、
AFの長さは(2)につながりません。?です。
大問3は争いのある問題のようですね。
「ツルの数をカメの数とし」を、
ツルの数だった数字をカメの数にするのか、
ツルの数の代わりにカメの数に使われた数字を代入するのか、
つまり、ツル、カメ、トンボの数それぞれ1、2、3だとすると、
それを3、1、2とするのか、それとも2、3、1とするのかの争いです。
でも、「ツルの数をカメの数とし」と言ったら、
「ツルの数を以てカメの数とし」と読むのが自然であり、
そうだとすると、
前者が正しいはずであり、
争いがあると考えるのは日本語のセンスがないと思うのですが、いかがでしょうか?
大問4は美しいですね。
(4)を出すために(1)~(3)がある問題で、
かつて、「例えば」で解答のためのヒントを与えていた開成ならではの問題です。
小問間の関係に気付けば間違えようがない問題で、解き終わるとスッキリする良問です。
【武蔵】
大問1(1)は割合、(2)は平面図形のパターン問題。易。
大問2は(1)が仕事算、(2)がニュートン算。やはりパターン問題。易。
大問3は相似形を利用した平面図形。易。
大問4は約束算。
(1)で約束を経験させ、その中に(2)へのヒントをしのばせる。
(3)で操作を一般化し、あてはまる数字を探させる。
そして、(3)までやることによりルールを発見させ正解に至るという問題。中。
【雙葉】
大問1は平易な計算と一行題。
大問2は仕事算。易。
大問3は比と割合に関する文章題。易。
大問4はこれぞ雙葉という面倒な速さの計算。中。
大問5は問題の指示通りにやれば、自然と答えが出る文章題。中。
大問6再び速さの問題。面倒臭さに負けずに最後まで到達できるかどうかがポイント。易。
大問1は面倒だけれども難度は高くありません。
「割引運賃」という言葉が、
その金額を割り引くのか、それともその金額で乗れるのかを、
一瞬迷わせる問題です。
大問2はBDの長さは(2)につながりますが、
AFの長さは(2)につながりません。?です。
大問3は争いのある問題のようですね。
「ツルの数をカメの数とし」を、
ツルの数だった数字をカメの数にするのか、
ツルの数の代わりにカメの数に使われた数字を代入するのか、
つまり、ツル、カメ、トンボの数それぞれ1、2、3だとすると、
それを3、1、2とするのか、それとも2、3、1とするのかの争いです。
でも、「ツルの数をカメの数とし」と言ったら、
「ツルの数を以てカメの数とし」と読むのが自然であり、
そうだとすると、
前者が正しいはずであり、
争いがあると考えるのは日本語のセンスがないと思うのですが、いかがでしょうか?
大問4は美しいですね。
(4)を出すために(1)~(3)がある問題で、
かつて、「例えば」で解答のためのヒントを与えていた開成ならではの問題です。
小問間の関係に気付けば間違えようがない問題で、解き終わるとスッキリする良問です。
【武蔵】
大問1(1)は割合、(2)は平面図形のパターン問題。易。
大問2は(1)が仕事算、(2)がニュートン算。やはりパターン問題。易。
大問3は相似形を利用した平面図形。易。
大問4は約束算。
(1)で約束を経験させ、その中に(2)へのヒントをしのばせる。
(3)で操作を一般化し、あてはまる数字を探させる。
そして、(3)までやることによりルールを発見させ正解に至るという問題。中。
【雙葉】
大問1は平易な計算と一行題。
大問2は仕事算。易。
大問3は比と割合に関する文章題。易。
大問4はこれぞ雙葉という面倒な速さの計算。中。
大問5は問題の指示通りにやれば、自然と答えが出る文章題。中。
大問6再び速さの問題。面倒臭さに負けずに最後まで到達できるかどうかがポイント。易。
今年の入試問題
2012-02-02
2/1の学校をいくつか解いてみました。
【麻布】
麻布は昨年から聞き方が丁寧になり、
解答者が出題者の意図を考えるまでもなく、
出題者の言う通りの作業を行えば自然に答えが出る
という出題になりましたが、今年も同様でしたね。
ただ、昨年があまりにも簡単すぎたようで、
昨年よりは少々難度が上がっている気がします。
大問1、2、4、5は、小問を解き進む毎に、
一歩ずつ前進する出題であるのに対し、
大問6は同じことを繰り返しやらせているのは
出題意図が理解できません。
大問3の速さの問題は比の問題ですが、
従来の問題とは少し異なる面白い問題でしたね。
合格者平均は70~75%と予想します。
【駒場東邦】
駒東の問題は大体例年通りの難度です。
大問1は?です。
駒東を受験する子どもなら瞬時に解法が分かる問題で、
それほど計算力も必要としません。
大問2は完全数の問題。
予想して、確認するという
数学的思考をそのまま実行させる面白い問題です。
大問3は円の移動で、過去に他の学校でそのまま出題されたもの。
(2)で円のサイズを変えて答えを求めていますが、
同じことを2度やらせているだけで出題意図が読めません。
駒東らしくないですね。
大問4は平均の問題。
面積図を描きながら考えればよいのですが、
従来の平均算とは異なる面白い出題です。
合格者平均は70%前後と予想します。
【女子学院】
JGは式、考え方が要求されませんでした。
1(2)は当てはまる数字を探す問題で、
新奇性はありませんが、少し面倒です。
すぐに答えが分からなければ勇気を持ってとばすべきでしょう。
6も少し面倒ですね。
雙葉中で出題されそうな問題ですね。
(2)は後回し。
他は例年通りの出題です。
5は断頭四角柱です。
通常、体積は底面積×高さの平均では求められませんが、
これは底面が点対称ですから、
底面積×高さの平均で体積を求めることができます。
解答する順番が合否を分けるかもしれません。
合格者平均は75~80%と予想します。
今日の試験が、うまくいっていても、また、そうでなくても、
今日の経験を明日に活かしましょう。
あなたは、試験中でもどんどん成長しているんですから…。
明日も顔晴れ受験生!
【麻布】
麻布は昨年から聞き方が丁寧になり、
解答者が出題者の意図を考えるまでもなく、
出題者の言う通りの作業を行えば自然に答えが出る
という出題になりましたが、今年も同様でしたね。
ただ、昨年があまりにも簡単すぎたようで、
昨年よりは少々難度が上がっている気がします。
大問1、2、4、5は、小問を解き進む毎に、
一歩ずつ前進する出題であるのに対し、
大問6は同じことを繰り返しやらせているのは
出題意図が理解できません。
大問3の速さの問題は比の問題ですが、
従来の問題とは少し異なる面白い問題でしたね。
合格者平均は70~75%と予想します。
【駒場東邦】
駒東の問題は大体例年通りの難度です。
大問1は?です。
駒東を受験する子どもなら瞬時に解法が分かる問題で、
それほど計算力も必要としません。
大問2は完全数の問題。
予想して、確認するという
数学的思考をそのまま実行させる面白い問題です。
大問3は円の移動で、過去に他の学校でそのまま出題されたもの。
(2)で円のサイズを変えて答えを求めていますが、
同じことを2度やらせているだけで出題意図が読めません。
駒東らしくないですね。
大問4は平均の問題。
面積図を描きながら考えればよいのですが、
従来の平均算とは異なる面白い出題です。
合格者平均は70%前後と予想します。
【女子学院】
JGは式、考え方が要求されませんでした。
1(2)は当てはまる数字を探す問題で、
新奇性はありませんが、少し面倒です。
すぐに答えが分からなければ勇気を持ってとばすべきでしょう。
6も少し面倒ですね。
雙葉中で出題されそうな問題ですね。
(2)は後回し。
他は例年通りの出題です。
5は断頭四角柱です。
通常、体積は底面積×高さの平均では求められませんが、
これは底面が点対称ですから、
底面積×高さの平均で体積を求めることができます。
解答する順番が合否を分けるかもしれません。
合格者平均は75~80%と予想します。
今日の試験が、うまくいっていても、また、そうでなくても、
今日の経験を明日に活かしましょう。
あなたは、試験中でもどんどん成長しているんですから…。
明日も顔晴れ受験生!