ある授業例・子どもたちに学んでほしいこと
2014-09-02
AがBに400円わたすと、Bの持っているお金の方が700円多くなりました。
最初、AはBよりいくら多く持っていましたか。
こういう問題は線分図で情報を整理すると分かりやすいんですが、
お金が移動する前、AがBよりどのくらい多くお金を持っていたか分からないですから、
最初の状態を線分図に表すのは難しいですよね。
でも、お金が移動した後の状態なら分かりやすいんです。
だから、とりあえず結果の状態から線分図に描いていくことにしましょう。

こんな感じですよね。
じゃあ、どうしてこんな状態になったのでしょう。
AがBに400円あげたからですね。
そこで、線分図を最初の状態にもどしてみることにします。
Bは最初、今の状態より400円少なかったのですね。
Bの線分図を400円分短くしましょう。
そのときに、400円の長さは700円の長さとのバランスを考えながら決めましょう。
Aは最初、今の状態より400円多かったのですね。
Aの線分図を400円分長くしましょう。
700円がこのくらいですから、400円はこのくらいですよ。

最初の状態が線分図で表せましたね。
最初のAはこれで、最初のBはこれですから、2人の値段の違いはもう分かるでしょ?
たとえば、こんな風に授業が進んで行った場合、
この問題から学んでほしいのは次のようなことです。
① 情報を整理すること
簡単な問題なら良いのですが、学年が進んで問題が複雑になってくると、
問題文を読んだだけでは、情報の把握が困難になってきます。
情報はどんな形でもよいので紙に書いて、目に見える形でまとめましょう。
難しい問題になったら書くというお子さんもいますが、
そんなに器用なお子さんは多くはありません。
普段から、情報をまとめる練習をしておきましょう。
② 問題を解くとき、情報を整理するときは分かるところから
問題を解くときは時系列に沿って解いていかなければならないわけではありません。
時系列を逆にたどっていかなければならない問題は意外と多いですね。
どこでもよいので、分かるところから処理していきましょう。
③ 図を描くときはできるだけ正確に
図を描くときは、比率などはできるだけ正確に描きましょう。
その方がイメージが広がります。
勿論、例外的に、図のある部分だけを取り出して、極端に強調して描く場合もあります。
でも、それは根拠があって、意図的にする場合です。
原則は、できるだけ正確にです。
問題の解き方を理解してほしいのは言うまでもありませんが、
それに加えて、上の3点を学んでほしいと思い、
それを強調しながら授業を進めています。
そして、それさえ分かってくれれば、単純な数値替え問題は言うまでもなく、
ちょっと設定を変えたり、形を変えただけの問題なら、
簡単に解くことができるはずです。
先生がこの問題で何を教えたいのかを考えながら授業に参加しましょう。
それが分かるようになれば、成績はどんどん伸びていくはずです。
もっとも、そうは言っても、単純な数値替え問題すらできないお子さんは多くいます。
初めの問題の数値替え問題であれば、結果から線分図を描かず、
時系列に沿って描こうとするお子さんもいます。
説明は聞いていたはずなんです。
でも、なかなかできないんです。
理由はいろいろあるとは思いますが、
こちらはお子さんたちに分かってもらわなければなりません。
○○ちゃんが分かったんだから、君も分かるはずです、とは言えません。
手を変え、品を変え、工夫して説明を繰り返します。
修行は続きます。
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